012439:NEXCO西日本、梅雨のETC祭

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新聞報道でご存知の方もいらっしゃると思いますが

6月3日の午前0時から、近畿圏の高速道路料金が区間ごと一律から利用距離に応じたものに変わりました。

阪神高速側は、以前に距離制運賃を導入したものを少しいじって車種区分増やした感じなので、システム対応はちゃんとできているんですけど、NEXCO西日本側は、今回初めて距離制運賃を導入するもんで、システム対応が間に合っていません。
間に合っていないというか、うっかりしていたという感じだと思います。

なにがまずいかというと

一般の車両では、大きな問題にならない話なんですけど、料金所を通過した時に正しい料金が表示されない場合があるんです。
請求時には、最終的な走行経路と距離から計算して、正しい料金を請求するんですけど、もともと区間制料金だった本線料金所では「どこから」乗って「どこまで」乗るかがわからないから、正しい料金を計算できないわけです。
なので、入口や出口がスルーなインターチェンジには、ETCのアンテナだけつけて実際の走行経路を確定する必要があります。
(多分、アンテナ自身はもうついています。そうでないと請求時にも計算出来ない)
で、計算出来ないので、とりあえず考えられる最大の料金を表示します。
(元の区間を全部走ったとして、計算します)

そうすると、ETCのアンテナからの情報でメーター料金に高速道路料金を加算してお客様から頂く仕組みのタクシーでは、大きな問題が生じます。
本来は払う必要のない最大料金をお客様から頂いてしまうことになります。
じゃあ計算して返せば良いじゃんって思うかもしれませんけど、タクシーの中であーでもないこーでもないと計算して、曜日や時間帯の割引も考慮して正しい金額を出すなんて無理ですよね。
なんのためのETCやねん、って話です。

で、当初は

そこで、そのことに気がついたNEXCO西日本さんは焦りました。
で、タクシーで払いすぎたかもしれない高速道路代に関しては、お客さんがレシートをもらってNEXCO西日本に連絡して請求したら返しますってことを思いつきます。
(これ、そのまま実行してたら、多分NEXCO西日本さんの事務、パンクしていたかも)
これが、タクシーを窓口にしてお金を預かっていることになるからって金融庁から怒られたとかいう話を小耳に挟みましたが、6月1日の時点で急遽変更になります。

NEXCO西日本 「6月3日からの料金、ETCは請求時に帳尻あわすから、ヨロ」
タクシー会社 「お客さんからは表示金額でもらうから、払いすぎになるで?」
NEXCO西日本 「ほな、うちに言うてきてもろたら、丁寧に返しますんで」
お役所 「そんなん、あかんで」
NEXCO西日本 「じゃあ、どうしたらええんです?」
阪神高速 「うちはシステム対応できてまっせ」
タクシー会社 「どないすんねん!」
NEXCO西日本 「ほな、タダやったら文句ないやろ!タクシーはタダにしたるわ!くそがっ!」

という会話があったとかなかったとか。

ここで問題です

阪神高速は、システム対応できているので、ETC車載器積んでるタクシーはETCゲートをETC無線走行しないと距離制料金の恩恵が受けられないから、ETC必須です。
NEXCO西日本管轄のシステム対応できていない4路線(第二京阪の京田辺松井から門真の大阪向き、近畿道全線、阪和道の松原JCTから岸和田、西名阪道の松原JCTから天理)を走行するタクシーは、ETCカードを抜いて一般ゲートを利用し、「お客様ご乗車中のタクシー」であることを申告して無料通行処理をしてもらうことになりました。
名神高速や京滋バイパスに関しては、ETCで通行です。

すると、京都南からETCで名神に入って、吹田から近畿道に行く場合は、吹田では一般ゲートでETC抜いてETCカードを渡して係員に処理してもらう必要があります。
ETC一般混在レーンの場合は、ETCのアンテナに差し掛かる前にカードを抜かないと行けません。
運転中になにさせるねん!って話です。

もっとひどいのは、阪神高速から守口で近畿道に入る場合、近畿道の料金所のすぐ手前に阪神高速の区間確認用のアンテナがあるので、近畿道のゲートがETC一般混在しかなかったら、そのアンテナまでは刺しておいて料金所までに抜くと言うアクロバット作業も必要です。
(多分15mから20mくらいしかない)

そんなわけで

当社の乗務員からも不安の声がいっぱい聞かれています。
労働組合としても、乗務員さんのお手伝い出来ないかと資料を作る事にしたのですが、調べて行くうちに「おや?」と思う事に行き当たりました。

我々京都のタクシーはお客さんを乗せて利用することは少ないとは思いますが、第二京阪道路の門真から京都向きはタクシー無料化対象外なんです。
対象外ってことは、ETCを挿入してETCゲートをETC無線走行すればいいので、「じゃあ門真すぎたら刺しても良いよ」って資料に書くか!と思ってふとパンフレットを見てみると・・・

「第二京阪門真から巨椋池に向けて走行する場合、京田辺松井を23:50に通過して巨椋池を00:10に通過すると、出口の時間で深夜割引になるから表示金額と請求額は一致しません

って書かれてるんですわ。
表示金額と請求額が一致しないケースは、タクシーでは全部アウトなのです。
なので、念のために、NEXCO西日本のコールセンターに電話して聞いてみると・・・

どうも地雷を踏み抜いたらしく、調べて折り返しお電話しますって事に(笑)

組合の事務所は閉めちゃうので、明日の午後にして下さいってお願いして帰りました。

待て!次号!