001831:後宮小説

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後宮小説 (新潮文庫)
後宮小説 (新潮文庫)
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酒見 賢一
新潮社
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このごろ小説を読まなくなったなぁ、と自分でも思う。
エッセイを読むことが多いのは、エッセイの方が直接的に著者を垣間見ることが出来るからかもしれない。
そういう意味では、読書の傾向も楽な方へと流されているようで、少しこわい気もする。
このままだと、何も考えない人間になってしまいそうだ。

---このように小説離れしつつある私が、なぜこの本を手にとったのか、不思議な気がする。
多分、タイトルにひかれたのだと思うのだが・・・。

以前から、後宮という言葉には興味をもっていた。
後宮・・・皇王が自分の妻である女たちを集めた宮。
いわゆるハーレムである。

この小説では、モデルの国は中国大陸の小さな国ということになっているようだが、後宮は日本にももちろんあった。
女ばかりの宮とは、どのようなものか。
実際に後宮入りするにはどのような教養が必要なのか。
小説とはわかっていながらもグイグイひきこまれて読んだ。

童女から大人の女へ変わっていく銀河(主人公の名前)を、自分の昔の(?)姿にオーバーラップさせると、なつかしいような、夢のような気がするのはなぜだろう。
そして思った。
大人の為のおとぎ話だなぁ、と。

この小説は、日本ファンタジーノベル大賞の受賞作。
子供向きのアニメになったようだが、私は大人向きのドラマにしてほしいと思う。