000615:労働時間の問題について

タクシーやバス、トラックの運転を行う場合、通常のサラリーマンとは勤務体系が違うので、労働時間については平成元年労働省告示第7号「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」という基準が定められている。
これによると、隔日勤務でない私は、月間299時間以内、1日は13時間以内を基準として最大16時間まで、となっている。また、勤務と勤務の間は8時間以上あけることとなっている。

さて、がむしゃらに仕事をしていない(笑)私は、入社以来この基準を超えたことはない。
家族との時間に困ることはあっても、金には困っていないのだ。
でも、生活がかかっている運転手さんの場合、昨今のお客さん状況からしても、上記の時間で出来る売上には限度があり、その売上では生活が出来ないケースが多々ある (と思う)。

今回、諸般の事情から、上記基準を厳格に適用しようという動きになってきた。
私は困らないんだけど、困る人多数な状況の様子。

問題なのは、こういうお役所が決める基準って、現場を見てないのよね。
つまり、「労働時間等の改善のための基準」であって、労働時間が改善されてその結果生活が改悪されるってことに気付いてない。気付いていてもあえて無視してるのか?

タクシーの認可台数は、規制緩和で増えた。
その分、1台あたりの売上は減るよね。
で、労働時間を縛られたら、売上で賃金が決まるこの業界、つまりは賃金が縛られることになる。
これを、厳格に運用しようとすると、どうなるか・・・・

  1. 労働時間が減るので、時間あたりの売上を増やす必要が出てくる。
  2. そうすると、多少遠い場所の無線を無理して取ったり、スピードを出しても割り込んでもとにかくお客さんをつもうとする。
  3. 休憩時間もギリギリまで削る、あるいは、休憩しているように見せかけるなどして、少しでも売上ようとする。
  4. 売上の割に時間のかかるお客さんを嫌う傾向が出てくる。(お年よりや障害者など)

あ、いやね、労働時間が減って、売上が減っても、収入が減らないなら別ですよ。
会社の取り分を、もっとギリギリまで減らせばいいんです。運転手は、もうギリギリのところまで来てると思うんです。
どうですか?経営側の方々。