000784:019:プロのサービス

  サービス業って一体なんだろうと思う時がある(笑)。看護師の仕事はサービス業だ。看護のプロとして技術をお客さん(私達の業界では「患者さん」という特殊な呼び方をするが)に提供する。その分野に関して、自分はプロであるという認識とプライドを持っていなければ、決して質の高いサービスはできない。
もちろん看護師だけでなく、「サービス業」と呼ばれる職業に従事している者全てに言えることだと思っている。そして反対に、自分の専門分野以外(以上・・・かな)は、する必要がないと思っているし、できてもやらないという一線を引いているつもり。求めること自体が間違っているとも思うしね。それが私の「サービス業」に対する考え方。
  先日、ダンナとモメた。原因は「サービス業」に対する考え方のズレ。
彼はこれまでもずっとサービス業の業界にいたが、今とはちょっと分野が違っていた。「SE」としてのサービスは、相手との間に必ず「商品」があった。でも「タクシードライバー」としてのサービスは、直接お客さんに働きかけなければならない。彼の「客との距離の取り方」が、私の考える「プロとしてのサービス」の範囲を大きく外れてしまっているのだ。
  このHPの中にダンナの「業務日誌」というページがある。2月初め頃のページを読んでいただきたい。これらは全部「プロのタクシードライバー」としてのサービスだろうか?。大まかに検証していこう。

  • 荷物の積み込みこれはまぁサービスのうちだろう。荷物を積み込まなければ走り出すこともできない。でも、私なら自分でやろうとするし、「してもらって当然」という顔をする客なんて、品性を疑う。
  • 買い物のつきあい
    これはタクシードライバーのサービスではないと思う。自分で荷物を持てないなら、ヘルパーさんと一緒に買い物にいくべき。タクシードライバーは「お伴」でも「下僕」でも「ホスト」でもなく、あくまでも「運転する人」なんだから。もっと「運転する」ってことにプライドを持たないとダメなんじゃないの?。
  • 携帯電話の設定
    論外(大笑い)。タクシードライバーはケイタイ電話屋じゃないんだから。
  • ライターの件
    これも論外。どうしても必要なら、客が「コンビニに寄って」って言うでしょう?。

・・・たった4項取り上げただけで、「それは違う」って内容が3項もあるのはどういうこと?。そしてご丁寧にも自分の携帯電話(会社持ちではない)の番号が書いてある名刺まで渡して、家族で過ごす数少ない休日や、びっくりするような朝の時間に電話が掛かってくることが続いたのだ。そりゃこっちもキレますよ。
「何、これ?。どういうことなん?」ってなって当然でしょう。しかもその客が「女」だったもんだから、私があれこれ言うのが面倒だったみたいで、意図的に隠していたらしい。あきれて物も言えないわ。
   「自分にできることならやってあげようと思うのがサービスだ」とダンナは言う。でもそれは「プロ」としてのサービスだろうか。「プロ」は自分に求められているサービスの内容をきちんと把握しているべきだし、違うことに対してはちゃんとNO!を言えるべきであると思う。
自分の持てるもの全てを放出するサービスは、「自分の愛する人」だけに行うもので、客はその対象ではない。ある意味どこかにドライに一線を引いておかなければ仕事とプライベートのボーダーが乱れ、最終的には「自分の愛する人」を苦しめたり悲しませたりしてしまう。

   結局、現在の所、この話し合いはお互いに納得がいかないままなんとなく持ち越しになっている状態。このまま放っておくと、また同じような内容でモメるのは目に見えてるから、自分の考えを整理しておきたかったの。
これを読んでくれた人に聞きたい。私が考える「プロのサービスについてのあれこれ」は間違っている?。