000278:ご指名

よく無線でタクシーを呼ぶお客さんというのは、無線を聞いていればわかります。
「あぁ、ここの○○さんって毎日呼んでるなぁ」とか。
そんな中で、ちょっと要望の多いお客さんがあって、無線を聞きながら
「色々要望の多いお客さんだなぁ」と思っていました。

ある日、そのお客さんの無線を取ってお迎えに行きました。
その要望とは、
「ドアサービス(降りていってドアを開け閉めすること)は、乗車時と降車時の両方してほしい」
「荷物を運ぶのを手伝ってほしいので、部屋まで迎えに来てほしい」
「タバコが吸える車」
です。まぁ普通のことといえば普通のこと。
ちょうどお召しになっているコートの紐がほどけていたので、結んで差し上げたのです。

その後しばらくしたある日、またそのお客さんをお迎えに行きました。
「紐を結んでくれた人だ!」と覚えていてくださって、
「無線では指名は出来ないといわれた。指名したいんだけど。」
という話に。

で、一昨日、またそのお客さんをお迎えに行きました。
道中ライターが無いということになって、まずは私のをお貸ししたのですが、その後も無いと困るだろうと思い、切れかけていた自分のタバコを1カートン買って、おまけのライターを差し上げました。
そうしたら昨日、無線室から携帯に電話があり、「どうしても昨日のお礼が言いたいので、来てほしいとおっしゃってますが」とのこと。
そのときいた場所は、30分くらいかかる場所だったので、その旨伝えると、お待ちくださるとのことだったので、回送で向かいます。

30分かけて回送して720円(ワンメータの次ですね)って言うと、他の乗務員にバカにされるわけですが、まぁ2時間走ってもお客さんの無い時もあるわけですから、まぁいいかと。
それに、私の携帯に連絡があったということは、
・無線室に電話をして、昨日のレシートから無線番号を伝える。
・無線室は私の会社に連絡して、私の携帯番号を聞き、連絡。
という手順が必要なわけです。
そこまでされれば、運転手冥利につきますわね。
なので、携帯番号の書いた名刺をお渡ししました。

これからは、直接注文がくることになります。
もちろん、休みだったり遠くにいたりしたら駄目なんですけどね。
その点は、よくよく説明しておきました。
出来れば遠くへも乗ってほしいな、とは思いますけどね(笑)