000171:迷惑メール対策4

迷惑メール対策の話ばかりで、ごめんなさいね。
今、これがマイブームなんです(笑)

さてさて、今回バーチャル山中家で採用した迷惑メール対策は、バーチャル山中家のメールサーバにメールを送信してきた相手のインターネット上の名前を調べることで、迷惑メールを送りそうな相手か、まともなメールを送りそうな相手かを判断するという方法です。

そもそも昔は、どこのメールサーバも、誰でも自由に使えるという時代もあったようです。まだインターネットが一部の人にしか認知されていない時代でしょうか。この頃にはメールの受け取り手も少ないので、メールで宣伝を送りつけても効果が薄かっただろうし、そもそもメールっていうもの自身の認知度が低かったから考えもしなかったのかも知れません。

そういうわけでかどうかは知りませんが、SMTPというメールを送るための手順にはIDとパスワードで認証するという部分がありません。逆にPOP3というメールを受け取るための手順には、IDとパスワードで認証するという部分があります。これは、街中のポストの口は常に開いていて、自由に郵便物を投函できるけど、自宅のポストを開けるのはその家の人だけね!っていうのと似ていますね。

時代は変わって、そういう街中のポストを悪用というか乱用というか、とにかく大量のメールを送ったり、身元を隠したメールを送ったりする人が増えてきて、誰でも自由に投函できるポスト(これをオープンリレーといいます)は良くないねという感じになってきました。
徐々にそういうサーバが減ってきて、オープンリレーサーバの一覧みたいなブラックリストも出来てきて、そのリストを使ってメールを拒否するという動きもありました。
これは、一定の効果があったとは思います。

さらに時代が変わって、各家庭に高速な回線が安価に提供されてきて、わざわざ街中のオープンリレーな(あやしい?)ポストを探して投函し、さらに拒否されるよりは、家から直接出しちゃう方式が浸透してきています。つまり、家に専用のポストを作って、そこから出すわけですね。
しかも、自分専用のポストなので、他人には使わせない設定もします。すると、それはオープンリレーではないサーバなので、ブラックリストにも載りませんし、調査しても「安全なサーバですよ」と回答が返ってきたりして、なかなかこの「悪のアジト」を摘発できないわけです。しかも、家庭の回線だと、接続の度にアドレスが変わったりするので、余計に対策が大変です。

前置きが長くなりましたが、そういう家庭に提供されている回線に与えられている名前やアドレスには、一定の法則があるので、それを利用して拒否しようというのが、今回採用した方式です。
通常、インターネットプロバイダが提供しているメールサーバは、家庭用回線に付与されるのとは違った、それらしい名前が付与されていることが多いので、この条件には引っかかりません。一部のサーバには、名前が与えられていなかったり、条件に引っかかってしまう名前のサーバもあるのですが、これは別途ホワイトリストを作成して救済することにしています。

この方式のメリットは、
-通常くる迷惑メールのほぼすべてが自動的に拒否できる
-条件にかからないサーバからの着信を確認すれば、別途ブラックリストにて拒否ができる
-受信せずに拒否するので、送信者に「拒否されている」ことを伝えることができる
(これはメリットともデメリットともいえるのですけど)
-ウィルス感染したPCが送るメールは、ほとんどが拒否条件に引っかかるので、ウィルスメールの受信も減る
(副次的な効果ですね)

というあたりでしょうか。逆にデメリットもありまして、
-メール受信の際に、必ず送信元の名前を確認するので、余計な負荷がインターネットにかかる
-割合的に少ないとはいえ、まっとうなサーバからのメールを拒否してしまう可能性がある

という部分があります。

この「余計な負荷がインターネットにかかる」という部分や、「まっとうなサーバからのメールを拒否してしまう可能性がある」という部分に対して、「よくないぞ!」という声も少なからずあるようですね。バーチャル山中家でも、その点について理解しています。
しかし、迷惑メール自身も「余計な負荷」であり、多数のメールを送りつけられることで「まっとうなメールが受信できない」可能性もあるわけで、その部分を無視して語ることもできないな、とも思っています。

これはあくまでも仮定なのですが、全インターネット上の「まっとうな」メールサーバがまっとうな名前に設定されていれば、まっとうなメールを拒否することはなくなります。また、全受け取り側がバーチャル山中家と同様の対策をとったとしたら、迷惑メールを送ることが非常に困難になり、結果として迷惑メールの送信が減ったなら、メール配送時に余計な負荷がかかったとしても、全体として負荷が下がるような気がしてなりません。