000770:003:名前コンプレックス

  私の名前はりか。りか・・・って言われると何を連想する?。そうだよねやっぱり人形だよね。小さい頃お人形遊びなんてしない男の子だって、リカちゃん人形の存在は知ってるだろうと思う。奇しくも、かのリカちゃん人形のデビューは私の生まれた年と同じ昭和42年。かわいいお人形なんて幾つもなかった時代、彼女はどんどん売れ、ネームバリューはうなぎ昇り。おかげで私は必ずといっていいほど「お人形さんと同じ名前ね」って言われた。名前コンプレックスの始まりである。
  今思えば、何がそんなにいやだったんだろう。ブスで汚らしい人形と同じ名前ならいやだろうけど、彼女は美人で、頭も良く、おまけにハーフである。憧れこそすれ、いやがる要素はどこにもない。でも無神経なオバハンが「人形と同じ名前ね」って言うのを聞くと寒気がするほどいやだった。自己紹介とかでも絶対姓の方しか名乗らなかった。「人形と同じ名前」・・・という言い方は、まず人形の存在があって、それと同じ名前ってことで私の存在が付属品のように付いてくる印象がある。「この人形はあなたと同じ名前ね」って言われれば、まず私の存在があって人形の存在は付属品となる。多分こう言われていれば、私の辛く苦しい名前コンプレックスの時代は無かったに違いない。・・・意地っ張りと言われてしまえばそれまでだけど。プライドが高かったのよ。子供なりに。
  今は自分の名前がすごく好き。覚えやすいし、呼びやすい。男性(特にダンナ)に「りか」って呼ばれると、「ぐっ」とくる(笑)。そんなわけでおもちゃ売り場に並んでいる彼女を見かけると、素通りできずにしげしげと眺めてしまう今日この頃。「昔のライバルは今の親友」ってとこか。

  余談・・・
  彼女の名前はアルファベットでは「Licca」とつづる。「Rika」より格好いいのでちゃっかり私のハンドルネームとして借用している(笑)。